挨拶が終わってから話しもそこそこに僕達は移動を始めた。
前の記事で話したように、秘策を発動させようと思っていたのだが、僕が話しかける前にゆうこさんの方が話しかけて来た。
その勢いは凄まじく、こちらが返答をすればすぐ様違う話題が飛び出して来て、会話の主導権はゆうこさんが握る感じとなっていた。
これはこれで話題の心配をする必要もなく助かるし、会ってすぐにこんなに話してくれるのは嬉しい。
なので僕は基本聞き手に回りつつ、時折話しの内容に質問したりする姿勢にする事にしたのだ。
初対面でここまで話しかけて来るのには驚いたが、とりあえず第一印象はクリア出来たのかな?とも思った。
一概にそうとは言えないが、もしも仮に第一印象で、
「この人無いわ」
と思われていたなら、表情から読み取る事は出来ないまでも、そこまで話しかけたりしないと思ったのだ。
もちろん例え無しだったとしても、会った以上はその場では態度を全く変えないという器用な人も居るかもしれない。
ゆうこさんがどのタイプなのかは分からないが、話しかけてくれている態度を見る限りでは、どちらかと言えば好意的な感じに思えたのだ。
しかしながら現実には勘違いする男性というのは一定数存在するもので、
優しくされた=自分に好意
みたいな都合の良い受け取り方をしてしまう。
おそらく僕も…いや、間違いなく僕は勘違いをしてしまうタイプなので、この時も少なからず変な自信があったのは否定出来ない。
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