映画館でもそうだが、基本的に映画を観ている時は会話をしたりはしない。
もちろんそれは話す事が無い…なんて事もではなく、映画に集中している為なのだが、あまりに夢中になり過ぎていると、りささんが隣にいる事さえ忘れて…いや、さすがにそれはない…が、穏やかな時間が続いた。
終わった頃…というか最初から肩が触れ合う程密着していたのだが、時間の経過と共に更に良い雰囲気になっていた。
ここで僕がアクションを起こす…と言っても、映画が終わった直後と考えると、それはちょっと…と思ったのである。
いや、それは単なる言い訳に過ぎず、ただ僕が日和っていただけの話しで、結論を言うと勇気が無かったのだ。
ただそれでも、何か無ければ親密になれないのか?と言うと、それは違い、ただ隣同士で会話をするだけでも着実に仲は深まっていると言えるだろう。
日も暮れて来た頃、りささんが晩御飯を作り始めた。
手伝おうとはしたのだが、気を遣ってくれてか、それとも邪魔だったのかは分からないが、座って待ってて欲しいとの事だったので大人しく待つ事にしたのである。
まぁ、こうなれば、雑用や後片付けの方に力を入れようと思ったのだ。
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