長い時間を経て、本当の意味でようやく面接がスタートした。
正直待ちくたびれていたので疲労感がありベストコンディションとはいかなかった。
ただ、みほさんと会話をしていると、少しずつその疲労も忘れていたのである。
「わらび君はどんな子がタイプ?」
唐突にされたこの質問に戸惑う。
(自分はどんな人がタイプなのか?)
改めて質問されてしまうと自分でもよく分からなかった。
「こういう顔の女性がタイプ」
というのも特に無いし、20代前半の頃は
「可愛い子が良い」
と思う事もあったが、年齢を重ねると共に外見でのタイプは無くなっていたのだ。
ただ、性格はまた別の話しで、好きなタイプではないものの、思った事をみほさんに伝えた。
「特にタイプはないのですが、短気じゃない人が良いです」
そう、性格も特にこだわりはないのだが、短気な人や暴言を吐く人は苦手である。
僕は自分では短気ではないし、暴言を吐いたりする事も無いと思っている。
自分が嫌なタイプと思っているので、相手からもそう思われないように気をつけているのだ。
いや、気をつけているというか、気をつけるまでもなくそんな事はないのである。
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